参加企業インタビュー 東日本旅客鉄道株式会社様

ディープラーニングと画像認識技術を、実際に車を走らせるという体験を経て習得できたことが大きかった

※所属の部門などは研修参加当時のもの

- 普段はどんなお仕事をされていますか?

東日本旅客鉄道株式会社 半澤氏(以下、半澤):
弊社のおもな業務として、大きくわけて東日本エリアの鉄道を安全かつ正確に走らせること、駅ナカのサービス品質を向上させることの2点があります。

その中で私たちは、技術系の職種であり、現在は鉄道事業本部・電気ネットワーク部という部門に所属しています。鉄道輸送に欠かせない電気設備の保守や工事は各支社や工事事務所で実施しておりますが、電気ネットワーク部ではその取りまとめをおこなう位置付けです。たとえば駅や線路に設置された電気設備の保守、工事を行うための基準の策定や、新たなシステムを導入するための計画などを日々おこなっています。

東日本旅客鉄道株式会社 鉄道事業本部 電気ネットワーク部 半澤 宏樹 氏
東日本旅客鉄道株式会社 鉄道事業本部 電気ネットワーク部 半澤 宏樹 氏

私たちは電気ネットワーク部に所属しつつ、社内で実施している「技術アカデミー」という研修に参加しています。技術アカデミーとは、各分野の中核を担う技術者を育成することを目的として設立され、各支社や工事事務所などから選抜されたメンバーが本社に集まり、1年間研修をおこないます。内容としてはおもに、専門的な知識、技術力の向上を図るだけでなく、世の中の技術に目を向け視野を広げること、真のリーダーシップを身に着けることにフォーカスし、日々講義や研究に取り組んでいます。

東日本旅客鉄道株式会社 鹿籠氏(以下、鹿籠):
技術系統の部門では、専門の系統が分かれています。電気部門のなかでも、私は社内や駅構内の通信ネットワークを構築する通信系統、半澤は列車が安全かつ正確に走行するための列車制御システムを構築する信号系統です。電気部門のほかにも保線や土木といったなど設備部門や車両などの部門があります。技術アカデミーでは、こういった全ての部門から選抜されたメンバーが集められ、弊社で掲げている変革2027の実現に向けた職場の中核となる技術者の育成を目的としています。

また、部門、系統ごとにコーチと呼ばれるポジションがあり、技術アカデミー生の日々の取り組みをサポートします。系統の専門的なカリキュラムについては各系統のコーチが設定し、リーダーシップ研修などの共通のカリキュラムについては、人材戦略部で設定します。

東日本旅客鉄道株式会社 鉄道事業本部 電気ネットワーク部 鹿籠 佑介 氏
東日本旅客鉄道株式会社 鉄道事業本部 電気ネットワーク部 鹿籠 佑介 氏

− 自動運転AIプログラミング研修に参加した背景を教えてください。

半澤:
技術アカデミーでは、弊社が抱えている課題を自分で探してテーマを選定し、その課題解決に向けた研究に取り組みます。私は、列車の自動運転の推進に向けて、画像認識技術を使った技術革新の可能性に着目し、勉強したいと考えたのがきっかけです。列車制御を行う上では、列車の場所を正確に検知することは欠かせませんが、現在はレールに電流を流す方式や地上子と呼ばれる設備を使用した方式では、設備数が膨大になってしまい、工事や保守が大変です。新たな列車位置検出の手法としては無線やGPS、加速度センサーなどを使った位置検知の方式など検討されておりますが、すでにいろんな箇所で導入や研究など進められていたため、自分は別の切り口で検討してみたいと考えました。また弊社全体としてもAIを使った技術革新を探っていることもあり、そういった複合的な観点で、画像認識技術による自動運転時の制御を研究テーマとして扱うことを決め、勉強するために本研修に参加させていただきました。

鹿籠:
技術アカデミーでは、コーチや人材戦略部が設定したカリキュラムとは別に、技術アカデミー生が自発的に「こういうことを勉強したい」と言えば、必要に応じて外部の研修サービスを受講することができます。わりと自由度は高いといえますが、設定されているカリキュラムだけでも日程がかなりタイトに詰まっているので、あくまでその合間に入れられる短期間のものに限られます。

− そこで技術アカデミーのカリキュラムを補う目的でユーザーローカルの「自動運転AIプログラミング研修」にご参加いただいたのですね。実際に参加されてみていかがでしたか?

半澤:
参加の目的でもあった画像認識技術の仕組みと実装方法を理解できたのですごく良かったなと思います。期待通りでした。座学だけでなく、実際に車(ミニチュアカー)を走らせるという体験を経て習得できたことが大きかったと思います。

鹿籠:
講師の方にもかなり助けていただいたので、短期間でもスムーズに理解を深めることができました。

半澤:
おかげさまで技術アカデミーの研究報告会の後には、周りからよいお言葉を頂いたこともあり、自分自身でも手ごたえを実感しているため、学んでおいてよかったと思います。

− ちなみにプログラミングの経験は?業務で扱うこともありますか?

半澤:
学生時代にC言語を少しだけ学ぶ機会はありましたが、入社してからは実務でプログラミングを扱うことは全くありませんでした。ただ、今回は技術アカデミーのカリキュラムでPythonを事前に少し学んでいたので、ある程度余裕を持って参加できました。

鹿籠:
私は学生時代にC、Java、C++など学びましたが、実際に手を動かしたのは入社以来初めてでした。プログラミングの考え方はある程度理解していた程度です。

半澤:
実務におきましては、列車制御システムにおけるプログラムなどの制作は基本的に機器製作会社様に請け負っていただいております。導入する際には、それが正常に動作するかどうかの機能確認試験を行うため、事業者側の立場として携わることはありましたが、自分がプログラム制作をなど行うことはありませんでした。今回も、技術アカデミーの研究でAIや画像認識を題材としているものの、自分でプログラム実装できるようになることが目的ではなく、新たなシステム開発に対する理解度を高めることを目的として、ユーザーローカル様の研修に参加しました。今回の研究以外でも、今後そういった技術の開発や検証に携わる機会があれば、今回受講した経験は必ず役に立つと思っています。

鹿籠:
画像認識技術というのが具体的にどういうことをやっているか、しくみを理解できれば、今回の研究に関わらず、他にどう応用できるかも考えられるようになると思います。専門分野によって得意不得意がありますが、普段の業務では知りえなかった最先端の技術に対する理解を深めることができたのが成果の一つですね。

− それでは最後に『自動運転AIプログラミング研修』を、どんな人に勧めたいですか?

半澤:
まずは技術アカデミーで画像認識技術をテーマに研究を進めたい人に勧めたいですね。それ以外でも、新たな技術革新に向けた開発をこれから立ち上げようとしている部門の方にも勧めたいです。

鹿籠:
通信系統としては、アカデミーのカリキュラムに入れていいのではないかという話を、私はすでにしています。またAI、画像認識などを社員が学ぶ機会を持てるよう、社内の上層部を含む各方面から意見が出ていることも聞いています。ちょうど弊社の人材戦略部で、AIを題材にした研修を注目していると聞いているので、今後は弊社の別の部門でもお世話になるかも知れません。

− ありがとうございました。

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